「でも、いきなりどうしたんだ?」
さっきまでの真剣さはなく、いつもの調子で聞いてくる。
「だって……
友人からのスピーチ、頼まれなかった…」
だから僕もいつもの調子で言う。
「なんだ、拗ねてんのか?」
「拗ねてなんかなーい―!!」
―コンコン
そうやって話していると、扉をノックする音がした。
「どうぞー」
竜哉が言ってはいってきたのはここの式場の人だった。
その人と少し話をした後、竜哉は僕に向き直った。
「じゃぁ行くな」
「うん」
「また今度、飲みに行こうぜ!」
僕はその言葉に手をあげてこたえることしかできなかった。


