暗い夜空の下、2階の窓から地上を見ているだけで地獄にいるような気分になる。




結がいない現実。


助けられない歯痒さ。




雨は夜中まで降り続き……



あたし達は一晩中眠ることもできないまま朝を迎えた。






『ママ!ヘリコプター飛んでるー!』




眠っていたはずの星と里穂が目を覚ましてすぐ、星は窓の外を指差してあたしに話し掛けてきた。



昨日の昼から何の飲み物も食べ物も口にしていないというのに、星はとても元気だった。






『ほんまやなぁ』





見上げた空は腹立たしいほどの青空で。



昨日のあの嵐のような暗い雨雲が信じられないほど晴れ渡っていた。