それから目を覚ますまでの記憶は、あたしの中には残っていなかった。 次に目を開けた時、あたしは里沙の家の2階部分にいて。 一番始めにあたしの瞳に映ったのは、全身ずぶ濡れの里沙とマコちゃん、 そして―――― 星と里穂だった。 これはなに―――夢? もう一度目を閉じた。 『大丈夫!?ねぇ!しっかりしてよ!』 でも、響き渡る里沙の声に、現実的な何かが伝わってきて。 あたしはもう一度、ゆっくりと瞳をあけた。