『なぁ、あれ見いひん?結の生まれた時のDVD』


『あ!見よっか。誕生日やしな』





隼人のそんな言葉に、あたしはしまっていた出産記録のDVDをプレーヤーにセットした。






『んーっ!あーーっ!』





そんな大きな声から始まるこのDVD。



陣痛の痛みで漏れてくる声に、二年前のあの日のことを思い出していく。






痛かったなぁ。



二人目は初産よりマシとか言う人もいたけど、でもやっぱり痛いもんは痛い、それは変わらなかった。





『頑張れ!もうちょっとやぞ!』





ビデオを回す隼人のそんな声が聞こえてくる。





『はい、もう力抜いていいよ、もう出るからね』





助産婦さんのその言葉に、もうすぐ生まれる、そう思ってジッと見ていると、


小さな小さな赤ちゃんの結の姿が映った。





そして口にチューブが入れられて飲んでいたかもしれない羊水を吸われると、


『ギャー…オギャー!』




小さくても力強いそんな産声が分娩室に響いていた。