ゴォーーッ―――
『なに?この音』
『外から聞こえへん?』
『にしてもすげー音やな?』
突然聞こえてきたゴォーーッっという地鳴りのような篭った音。
遠くから聞こえてくるようで、すぐそこから聞こえているような気もする。
『一体なんなん?』
あたし達は立ち上がり、三人でベランダの方へと近付くと、ゆっくりとベランダの扉を開けた。
ゴォーーッ――――
扉を開いた瞬間、さっきの音は物凄い大きな音に変わり……
そして次の瞬間、立っていられないぐらいの強さであたし達に何かが押し寄せてきた。
『キャーッ!!』
そんな声を上げたのは一瞬だけだった。
茶色く濁った泥のような水。
それに押し流されるように、あたし達はリビングの中へと押し流された。



