『いってきまーす』
『いってきまーす!』



季節は春になり、星は幼稚園に入園した。


園バスのバス亭は、隼人があたしの病状や家庭の事情を幼稚園に話して掛け合って、家のすぐ前に停まってもらえるようになり、バスの来る時間になると星と隼人は一緒に家から出ていくようになった。





隼人はこの4月から昇格。


28歳で営業課の係長、初めての役職についた。




星も隼人も、新しい毎日にとても充実しているようで、あたしは嬉しい半面、なぜか自分だけ取り残されたようなそんな気持ちにもなっていた。