だけど―――― 二人を起こして一階へ向かうために階段をおりようとしたその時、 突然また、あの音が頭の中に響いていった。 くる……… 泥水が襲ってくる…… いや、違う。 これは現実じゃない。 落ちつかなきゃ…… これは錯覚なんだ。 頭の中に、二つの感情がぶつかる。 恐怖に怯える自分と、 冷静になるよう唱える自分。 『のぞみ?』