あたしがいるから。



そう、言ったよね?






……それって、もしかして……?






「桃野さん、なんかオレの
こと、すっごい落ち着いた
大人みたいに思ってんだろ?


けどさ。

ホントはゼンゼン、
そんなことないんだぜ」




硬直してるあたしの耳に、
照れ混じりの折原さんの
声が心地よく流れてくる。




「本性は、さ。

気になるコに正面きって
声かけらんなくて、消し
ゴム落としたり。

会いたいが為に引っ越した
ことも隠して図書館通い
続けるような、めめしい
奴なんだよ」



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