決行時間。


リュウタはナナミを抱き寄せて甘い声で話始めた。


「ナナミ…俺、ナナミを愛してるからお願いがあるんだ…」


その言葉を聞いて彼が「今だ!」と叫んだ。



ビービービー!!


あたし達は身体中から警報器並みのデカイ音を鳴らした。



「え?何?」


ナナミが驚いてあたしに近づいてきた。


その時、リュウタの携帯から「録音再生します」という機械的な声が出た。


『え?あ〜◯◯のジャケット?あれは15万かな?エリのアクセは10万だったよ。マジマジ、超もうけたよ。……そう、明日ナナミに◯◯◯の限定スニーカー買わせようと思ってさ。あれなら7万は軽くいくって』



「おい!何だよこれ!」


リュウタが彼に飛び掛かってボタンを必死に押している。
でもディスプレイには『ロックがかかっています』の表示。


「リュウタ!何これ?どういう事なの!!」


ナナミは涙目でリュウタに怒鳴りつけている。


その間にも彼はリュウタと友人の会話をずっと再生し続けている。