「お待たせしました」 あたしはマスターのいれたコーヒーを、彼の前にそっと置く。 「ありがとう…」 優しく微笑む彼は、一度会ったら忘れられない位の美男子だ。 黙ってコーヒーを飲む姿もまた、さまになっていた。 「落ち着いてコーヒーが飲めるから、この店が気にいってるんだ…あと可愛い店員さんもね?」 綺麗な顔をクシャッと歪めてあたしに笑いかける。 職業は物書きだと言っていた。