突然の出来事にどうしていいか解らずにいた。 劉兒とは違う香り…腕の力強さに、ユウリの胸はドキンと跳ねる。 「ま…さや…さん?」 正也は、ユウリの華奢な身体をギュッと抱き締め、囁くように呟く。 「…ずっと此処にいろよ…」 「…………」 ユウリは頷くことも、首を振ることも出来ずにただ立ち尽くしていた。 ずっと此処には居られない…きっと劉兒は自分を探し当てる。