オヤジはヒーロー

やつが逃げ出した方は行き止まりである、高さ2mほどの塀がやつの行く手を塞ぐ、「追い詰めた!」俺は追いかけながらやつが振り向いて戻って来た時に逃がさないように心の準備をしていた、
塀の真下迄着たときだった、なんとやつは塀に向かってジャンプし塀に手をかけて登り始めたではないか、またもや予想外の展開である、
やつの肘が塀の上に掛かった「ヤバイ逃げられる!」俺はとっさにやつの背中に飛び付いた、「ズドン」俺はやつの下敷きになって下に落ちた「まずい!」やつは俺に馬乗りになりパンチを繰り出してくる、
下からみるやつの顔は必死の形相だ、だが俺も昔は喧嘩など日常茶飯事、しばらくするとやつの動きが見え始めた「なんだこいつ!めちゃくちゃに手振ってるだけじゃねえか」