黒い大きな犬

その瞬間、雷が鳴ったような大きく激しい音がする。それはすぐ近くから聞こえる。部屋の隅に寝転んでいたはずの父親ハムスターが飛び上がる。
「ウヒ…ョ!!! そうじゃぁーっ!!!!!」
雷鳴は彼から発されたものだと知る。部屋の温度が2度ほど上昇するのが判る。僕と肩に乗る息子ハムスターは何が起きたのか判らず、じっと発狂する父親ハムスターを見ている。