「ウヒ…あんたには名前が無いと言いましたですのう。あんたはユウタではないのですかい?」
父親ハムスターはひまわりの種を一通り食べ終えると僕に尋ねて来た。
「違います。僕は…誰でもありません。ユウタは外で待ってる、黒い大きな犬のことです」
父親ハムスターは眉をひそめる。
「ウヒ…まぁ、よく判りませんですよ。でもあんたは捜し物をしてくれる。それで良いですじゃよ。久し振りに人間がこの近くを通るという噂じゃったからのう。こりゃ逃せんと思ったですよ」
息子ハムスターは際限無くひまわりの種を殻に変えていった。僕はもう一度、いったん奥へと引っ込めた集中力を呼び戻す。
「さぁ、探しましょうか」
まずはたった今生まれた食べかすを処理しなくては。集中力、集中力だ。
父親ハムスターはひまわりの種を一通り食べ終えると僕に尋ねて来た。
「違います。僕は…誰でもありません。ユウタは外で待ってる、黒い大きな犬のことです」
父親ハムスターは眉をひそめる。
「ウヒ…まぁ、よく判りませんですよ。でもあんたは捜し物をしてくれる。それで良いですじゃよ。久し振りに人間がこの近くを通るという噂じゃったからのう。こりゃ逃せんと思ったですよ」
息子ハムスターは際限無くひまわりの種を殻に変えていった。僕はもう一度、いったん奥へと引っ込めた集中力を呼び戻す。
「さぁ、探しましょうか」
まずはたった今生まれた食べかすを処理しなくては。集中力、集中力だ。


