数秒間、僕は体を構えていたけれど誰かの気配は全くしない。どこから誰がやってくるのだろう? 何をしに? ユウタの声がする。
「どこ見てんだい、坊や? お客さんはとっくに来てるぜ」
僕はぐるりと周りを見渡す。しかしどこにも、誰もいない。