「ふらついてるぜ、大丈夫かい?」 反対側のドアからユウタが降りてくる。 「うん、大丈夫」 僕は答える。樹木から伸びる葉に覆われた空には太陽が見えないけれど、僕は車内に比べての明るさに少し安心感を得る。きっと、ここではまだ何も失わない。