黒い大きな犬

「ここは…本州?」僕はユウタに尋ねる。
「本州…ってのはなんだい? 俺にはそういうことがいまいち判らないんだ。答えてやることが出来なくて悪いな」
ユウタの声は始めの頃より、幾分優しく聞こえる。僕は窓を開けてみる。