「ユウタ…あぁ、良い名前だ」と黒い大きな犬は言う。 「俺はな、名前なんて忘れちまったんだ。ユウタに教えてやりたいんだけどな。誰も俺の名前なんて呼びやしないんだ」 僕は尋ねる。「どんな名前だったんですか?」 彼は目を閉じる。