洞窟の入口は、近付いてみると思ったよりも大きかった。僕は遥か頭上にある天井を見上げる。ごつごつとした石の表面に水が滴り、銀色に光っていた。所々で水滴は足元へと落ちてくるから、まるで何か楽曲を演奏しているかのように聞こえた。揃わない合奏。