「ミチルさん、落ち着いて?」 私はミチルさんをなだめる。 受話器の向こうで、 …泣いているみたい。 ―――ドクンッ 心拍数が上がっていく。 なん…だろう。 冷や汗がじわりと出る。 「南…ちゃん、よく聞…いて?」 私はもう悪い予感しか、 しなかった。 「光汰が…交通事故にあって、 今病院に………っ」 「え…」 目の前が真っ白になって、 携帯が手から離れる。 ガシャン、と言って落ちた携帯。 (ツー…ツー…) 私はしばらくの間、 動く事ができなかった。