(カチッカチッ) 無音状態の部屋に、 秒針の音が虚しく響く。 ふとその壁にかけてある 時計を見てみると、 もう16時30分を指していた。 「行か、なきゃ」 私は重い腰を上げ、 携帯と財布という最低限の 荷物を持って家を出た。 「もう1年だよ、光汰」 寒空の下、 私はぽつりと呟いた。