翌朝、あたしにしては珍しい、ショーパンというカジュアル路線で、杏子の家へ突撃訪問。
あの様子じゃたぶん……。
「やっほー!」
「悠由!」
…たぶん…、杏子も美紅ちゃんち行こうとしてるだろうし。
想像通り、ちょうど杏子も玄関から出てきたところだった。
「どうしたのあんた?」
「那智兄に外出許可もらった」
「外出許可て……どういう関係?」
聞くところによると、美紅ちゃんのほうからお誘いがあったらしい。
電話で「なにごとよ!」と詰め寄った結果、「じゃあ明日おいで」と言われたそう。
「悠由も来るとは思ってないでしょうけどねー」
「えへへ…」
あたしの家からは遠かれど、杏子の家からはだいぶ近い。
数分で、美紅ちゃんの家に着いた。
「やほー美紅ちゃん♪」
「あら悠由? まー…本物?」
え、そういう驚き方?
しかも真顔で?