「悠由ー。明日とか、一日くらい別に出てもいいんだぞ?」
ご飯を食べながら突如、もらすように呟いた那智兄。
あたしは、由那の口元を拭きながら目線を上げる。
「ただし飯だきゃー置いてけよ」
「……」
亭主関白か。
なんだこの兄貴。
「んじゃ杏子のとこ行ってこよっと。由那のご飯だけ作って」
「んだとこら」
「由那ちゃん明日なに食べたい?」
「おいもさん食べたい!」
由那の好物は……なぜか里芋。
じゃがいもとかさつまいもとかじゃなく、里芋。
そもそも芋が好きって…。
毎回の如く首を傾げつつも、頷いた。
那智兄は……適当でいいや。
てか一緒でいいや。那智兄里芋嫌いだけど。
というわけで、明日はお言葉に甘え、杏子の家に押しかけて美紅ちゃんのことを聞くことにした。