「あんたはいつまでそうしてるの?」


うちに遊びに来た杏子に言われるくらい、あたしは落ち込んでいた。


先輩に会えないというだけで、落ち込むには充分なのに。

さらに微妙すぎる今の立ち位置というか…状態というか。

それが余計に、気分を落とすのだ。


「しゃきっとしなさいよしゃきっと!」


「いだだ…」


なんでつねるのねえなんで!?

ほっぺとれちゃうよ!


「あら…よく伸びるのねー。もちみたい」


「いらいよきょうおー」


「なに言ってんだかさっぱり」


…じゃあ離そうか。ね。


「…でっ。槙野がー…なんだって?」


「あーいた…」


涙目でつねられた(引っ張られた)ほっぺたをさすりながら、続きを話す。


杏子にはあたしのすべてがバレバレで、「槙野となにがあったか言いなさい」とずばり言われたのだ。

まさか名指しでバレてるとは思わなかった。


「だからそのー……告白っていうんですかね?」


「んまー鈍いあんたが理解してるの」


「鈍くないもん!」