事の発端は、この数日後だった。

屋上に行くときまた、槙野くんが待っていて…。

それで先輩は、珍しく行くのが遅かったんだ。





「じゃね杏子っ」


「はいはーい」


お弁当を胸に抱え、ほくほくしながら廊下を歩く。

毎日この時間が…とっても楽しみなんだ。


階段を上がろうと、くるりと階段のほうに体を向けた。


「にゃ!?」


どんっと勢いよくなにかにぶつかった。

鼻を押さえながら頭を上げると。


「え…ま、槙野くん!」


「よっ」


そのぶつかったなにかは、他でもない槙野くんだった。


「な、なんで!?」


驚いてつい、指を指してしまう。


なんでこんなとこに…。

ていうかっていうか…!


「まー落ち着けって」


あなたのせいでしょ!