あれ、なんだっけ。
なんかあたし、忘れてない?
すごーく大事なこと…。
「あ」
そ、そうだった!
「彼氏いても関係ない」だとかなんとか言われたんだった…!!
金曜と土曜が幸せすぎて…忘れていた。
「澤村って分かりやすー」
「えっ…」
くすくす笑いながら言われ、慌ててほっぺたを覆う。
顔に……出てましたかね?
「……」
それにしても。
こうしてると…今までとなんら変わりない。
あのときの彼の笑顔は、凍っているようで怖かった。
なのに今は……とてもそうは見えない。
どっちが本当の槙野くんの笑顔?
時々戸惑ってしまう。
「どうかした?」
いつまでも見つめていたあたしを変に思ったのか、そう聞いてくる。
慌てて「ううんっ」と返し、前に向き直った。
本当…。
なに考えてるのか、分からないな。

