「……❤」
「アンタねぇ…」
ごめん杏子。
幸せが抜けないの。
もうちょっと浸らせて。
「…ハア。そこまでベタ惚れで何も手につかなくなりながら…成績まったく落ちないのって罪よね」
いいことじゃんか。
久しぶりの美紅ちゃんだ。
始業までに時間があったので、美紅ちゃんの教室に杏子と二人で来たのだ。
というか正確には連れて来られたわけだけど…。
「夢中になりすぎだもんねー。そのくせテスト相変わらず学年トップってなによーっ!」
「きゃん!」
か、関係ないじゃんかーっ。
テストと先輩となんて…。
「それにテスト前はいっつも、先輩にお勉強教えてもらうんだもん❤」
「あ…そ」
「ごちそーさん…」
いい加減呆れられたけど、だってしょうがないんだよ。
毎日毎日、日を重ねるごとに。
先輩にドキドキさせられるたびに。
どんどん、先輩を好きになっていくの。

