時折ニヤけるあたしを心底不審そうに見つめる那智兄。

そんな那智兄の話によると、ママと由那は明日帰ってくるらしい。

おばあちゃんも、たいしたことなかったって。

なんであたしを置いてったのって聞いたら、なんと。


「いやな? 俺も悠由が帰ってくるまで待とうっつったのに…母さんがすぐ行くっつって」


心配だったんだろーな、と付け加える。


あたしは少し…嫌な予感がした。

だってあのメールはどう考えても、心配でしょうがないから早く行きたいって感じじゃなかった。

それにあたしの寂しがりをよく知ってるはず!

その上ママは……あたしに彼氏がいることを知り、さらにお泊りを推奨してくる。

これをいい機会とばかりに利用したんじゃあるまいかとさえ思ってしまった。

そしてあたしは…まんまとそれに引っかかったんじゃないか、と…。


「…ま、考えすぎだね」


心配だったんだよ本当に!


こくこくと首を縦に振った。


「……てことは今日ずっと那智兄と二人?」


うっわー……。

ならやっぱ先輩といたかった!


ぷうっと頬を膨らませた。