うとうとしていると、遠くに先輩の声がした。


「おい…お前ここで寝ちまうのか?」


「んー……」


なんとなく返事はしてみたけど、内容はよく聞き取れてない。

先輩の首に両手を回し、さらにくっついた。


「っ…おま…ちょっ……ハア…」


仕方なさそうなため息と共に、あたしの体はふわんと浮き上がった。

うっすら目を開けると、「しょーがねぇな」という顔で笑う先輩が、あたしを見下ろしていた。


「部屋……さっきの隣だったな?」


「んー…」


歩くリズムがとても心地よくて、さらに眠気が襲う。


カチャ…と、扉を開ける音がした。

数歩歩くと、あたしをベッドに降ろそうとする。


「んやぁ……」


「あ、おい…ほら離せ?」


「やっ」


必死で首を振りながら、より一層強く抱きついた。


「ったく…仕方ねーな」


ふう、と鼻から息を吐くと、あたしを胸に抱いたままベッドへ入る。