いつも通りに入ると、三十分はかかってしまう。
先輩を待たせるわけにはいかないので、シャワーを浴びて早めに済ませた。
「遅くなってすみませーん…」
ぺたぺたと足音をたて、リビングに待つ先輩の元へ近寄った。
「んー」
ひらっと片手を上げる先輩の横に、ちょこんと座った。
「おいで」
「! ……はいっ」
両手を広げる先輩の胸に飛び込んだ。
ふわんとあたしと同じボディソープのにおいがする。
同じにおい…先輩と。
ごそごそと抱え直すと、タオルでわさわさとあたしの髪を拭く。
なんか……気持ちよくて眠くなっちゃう。
ふわあっと大きな欠伸をした。
先輩の穏やかな鼓動…。
あったかい腕の中…。
一番、落ち着くところ。

