「な、なんだよ」


あまりに大袈裟に仰け反りすぎたせいか、先輩も驚いたらしい。

どっきーんと跳ね上がった心臓が、今もまだバクバクいっている。


「おい?」


「ハッ……な、なんでもございません!」


「ございませんて…」


「あたしもお風呂入ってきますねっ」


ぴゅうっと逃げるようにリビングを飛び出した。



……うっわーうっわー。


着替えを取りに自分の部屋へ戻ったあたしは、ドアに寄りかかって両手をほっぺたに当てる。

洗い物をしていて冷たくなった手が、熱くなった頬を冷やす。


濡れた前髪が顔にかかっていて…より一層……。

水も滴るいい男って本当だね…!!


気を紛らわしながら、いつものパジャマはちょっと恥ずかしいのでロンTとゆるいズボンを取り出す。

……下着、可愛いのにしちゃおっかなー…。


「なんちゃってきゃーーーっ❤」


やだやだもうあたし!

なに考えて…。


…とかいいつつも、ちゃっかりお気に入りを選んだ。