「……」
こうもすっぱり言われると、ああそうかなって思ってしまうのは、言ったのが先輩だからだろう。
「じゃーりゅう……くん? とか?」
「なんでもいい」
「じゃありゅーちゃ…」
―ギロリッ
…なんでもいいって言ったのにぃ。
「りゅうくんにします…」
「よし」
ちぇっ。けーち。
唇を突き出して先輩を恨めしげに見つめていると、ちゅっとリップ音をたてて軽くキスをされた。
「……」
「してほしかったんだろ?」
笑いをこらえながら言われても、説得力ありません。
からかってるようにしか、見えません。
「からかってんだよ」
素直に認めた!!
あまりに素直! こっちが戸惑うほどに!
「…もういいもーん」
ぷいっとそっぽをむいて、窓の外に目をやった。
冬だけでなく、夏やまだ暑い今の時期は室内です。

