――ピーンポーン



何度目かになるチャイムをまた押した。

いつもなら一回で出てくるのに、二回目の時点でもしかして留守かな、とは思ったけど…。


「…やっぱいないのかな」


半分諦めかけたとき、カチッと微かに音がした。


「!」


すぐに、鍵が開けられたんだと気付いた。


急いでドアを開けると……。


「きゃあ!?」


…いつぞやは、ここでいきなり抱き寄せられたんだっけ。

だけど……今は違う。

明らかに、倒れこんできた。


「せ、先輩っ? 先輩どうかしたの、先輩!?」


…!

あつ……い…?


慌てて顔を覗きこむと、苦しげに顔を歪めてじんわりと汗をかく姿だった。


「熱あるの! 先輩?」


力なく倒れこんでこられると、さすがに重い。

なんとか玄関の中に入り込み、段になっているところに腰を下ろした。


「大丈夫?」


「…ん……。悠由だったから力抜けた…」