そんなことも思って、同時に心配も募るばかり。
先輩は「もしそうなれば来ればいい」って言ったけれど。
今みたくしょっちゅう会えるわけじゃない。
月に一、二回が限度だろう。
「…ハア~~~……」
「辛気臭いため息ついてる暇あったら、手伝ってよね?」
「うん……」
実は昨日、日本に戻ったばかりだったりする。
人見知りの激しい由那は、久々に会った父を怖がっていた。
あたしや那智兄にしがみついて泣いた。
でもそのくせ、帰り際はパパーって泣きついてたんだ。
そんな由那より、お父さんのほうが泣いてたけどね。
「悠香(母)~っ悠由~っ由那~~っ」
…って。
那智兄が「言ってほしくはないけど言われなかったら言われなかったでなんか腹立つ」ってそっぽ向いてたのが可笑しかった。
元々、「ハタチすぎてなんで父親に会いにわざわざ海外まで行かにゃならん!?」って言ってたんだけど、ママが旅行よ旅行。どうせ暇でしょって丸め込んだ。
那智兄はママに丸め込まれてばかり。
最後の最後で「那雄(父)…。またね」ってママがキスをしたのには若干動揺したけれど…。
「…らっ……こら! 悠由!」
「…………へ?」
「へじゃないわよもう~。手伝ってったら!」
「ああ…うん」
くっそう。
那智兄め…一人先に逃げおって。
なぁにが「疲れたから寝さして」だいっ。

