「……? う、うん…あのね?」


少し気になりながらも、決意のカミングアウトをした。


「あたしそのー……彼氏はいてぇ…」


「あ、やっぱり?」


「……」


やっぱりバレてた…!!

分かっててって……それもどうなの?


「気になってたんだよね…なんで隠したわけ? つーか誰? カレシ」


「三年の……篠原先輩…」


「篠原……? 篠原龍樹?」


「う、うん」


内心ハラハラものだ。

槙野くんだし……なにも心配はないと思うけど。

分かってるんだけど…。


「マジで…?」


「ま、マジで…」


とても驚いてるみたい。

やっぱり先輩って有名人なんだ。


「えー……つかじゃあなんで隠してんの?」


「……えっとそれがー」


先輩と付き合う前、付き合いだした頃のことを簡潔に話した。