リビングのソファで向かい合い、数分見つめあった。

先輩はまだなにも言わない。


「……悠由」


かと思えば、ようやくふと口を開いた。


「はぁい?」


「……大学…」


「大学?」


は? 大学?


予想外の言葉に思わずぽかんとしてしまう。


だって大学ってアナタ……それがなに?


「夏休み前、担任に言われた」


「大学……を?」


「もう受験を考えろ」


ああ…。

そっか。

そうだよね…。三年になった途端考えなきゃなんなくなるもんね。


…そっか。

卒業…。


「…で。Y大推薦書くか? って言われた」


「Y……大……?」


Y…って…ここからは電車乗り継がなきゃなんないくらい遠いんじゃ…?