ピンクのほうを自分のにつけ、なにか探しているらしい美紅ちゃんの元へ寄った。


「早いわね~もう買ったの」


「うん。美紅ちゃんは? なに探してるの?」


「んーブレスレッド。あたしも彼氏に買おうかなーって」


一度だけ写真で見たことのある美紅ちゃんの彼。

とっても優しそうな感じの人。


「こういう色似合いそうだよね」


「やっぱりそう思う?」


暖色がいいと思うな。

先輩は逆だよね。だから青はいいんだ。


「じゃこれにするわ」


少し悩み、最初から気にしてた一つを手に取った。


「あたしは買う相手がいませんからね~」


「杏子~」


「あ、じゃあ三人で買お。ね。それがいいわ。せっかくみんなで来たのに」


おおー…。

さ、さすが美紅ちゃん…。


なんか今、色々と尊敬しちゃったよ。



結局みんなで色違いのネックレスを買い、夕暮れの電車に揺られて自宅へ帰った。