次の日、朝っぱらから気合満タンに学校へ行く。

妙にリキの入っているあたしを、不思議そうに先輩は見ていた。


「槙野くぅん!」


教室に入るなり、男友達と談笑していた彼に声をかける。


「お? 澤村じゃん」


「なにお前らー!」


「美男美女カップルの誕生ってか?」


ピューピューと口笛を吹きながら、バシバシと槙野くんの背中を叩くお友達。

思わず顔を赤くして、「違う!」と言ってしまう。


「ははは……なに? 澤村」


「えーとその…ちょっと来て?」


三人の視線を痛いほどに感じ、小さくなりながら、彼を連れて廊下へ出た。



「……なに? どーしたの」


「あのね」


周りにあまり人がいないことを確認し、少し顔を近づけて口を開く。


「っ!」


「…? ど、どうしたの?」


「い、いや…。なに?」