いつも先輩が隠れるように待っているところにひょこっと顔を覗かせると、腕を組んで壁にもたれかかる彼がいた。
「……❤」
かっこいい……。
すき…❤
「はっ……」
ち、違った!!
「せ、先輩っ。帰りましょ」
「ん? ああ…」
歩き出してしばらく後、先輩が急に口を開いた。
「お前……えらく有名だな」
「先輩のせいです」
間髪いれずに返してやると、「いや…そうじゃなくて」とあたしを見下ろす。
「すれ違いざまに『学校一の美少女が凄い天然ってマジか?』って聞かれた」
「……」
どういう噂だよ!
「…ヘンって言っといたけど」
「……」
アナタもなに言ってんですか。
「お前がアホだってことは相当知られてるみたいだな」
「あほって!!」
せめてせめて……もうちょっとマシな言い方がっ…!

