「さーーーわむらさあんっっ!!」


「わあ」


…教室に入るなりこうだった。


「澤村さんねえちょっと!」

「悠由ちゃん篠原先輩と知り合いなの!?」

「どどどどういう関係どういう関係っ?」


「え、ええと……」


思いっきりたじろいでおろおろしていると、ありがたーいありがたあぁーーい、救いの手がなんと二つも差し伸べられた。


「まーまーちょっと落ち着こうねー」


「そうよっ。あたしの悠由がびっくりしてるじゃなあい」


「し、翔くん…杏子!」


わあ。わあ~!

友達って……友達ってなんて素敵なの!?


「ヘンに感動してないで、ほらちょっとこっち来なさいな」


杏子が呆れた顔を作りながらあたしの腕を引っ張る。


「…なんだって?」


「へ?」


「先輩よっ。わざわざ教室に来るなんて…」


ああ…。だよね…。

でも結局「もういい」とか言われたんだよね…。


「はあっ? なにそれ!」


「つーかなんで一時間も帰ってこなかったわけ?」


さらに呆れる杏子に、ニヤニヤと変な笑顔を貼り付ける翔くん。