なんだか恥ずかしくなって、慌てて顔をそらす。

あまりにいつも通り過ぎる彼に、少し戸惑った。


「ここ英訳ー……じゃあ澤村」


「……」


「澤村?」


「あっ、あ、はい」


……ってどこ!?

ここってどこ!?


ガタンと立ち上がったはいいものの、まったく聞いていなかったあたしは『ここ』がどこを指すのかが分からない。


「…ここここ」


「! えと…I to her every request――……」


…こそっと教えてくれた槙野くんのおかげで助かった。


「……えー…と、Thanks to you, it was finally over.」


よっし終わり~!

なんか長かったな。


ほっと息をつき、椅子に座った。


「ありがと」


そのときに、小さな声で槙野くんにお礼を言った。