「な……なにそれ?」


ぐるぐると考え込んだ挙句これだ。

他に浮かばなかった。

聞きたいことがありすぎて…逆に。


「なにって言われてもー……」


顎に手を当て、わざとらしく考え込む仕草をしてみせる槙野くんを、ごくりと喉を鳴らして見つめる。


「まー要するに、俺澤村に惚れちゃった♪…てこと」


「……」


……。


思考、停止……。




―――……


…とまあ、そんなわけで。

おかげで先輩のとこに行くのが遅くなった。

びっくりしすぎて、しばらくその場に佇んでいたのだ。


チラリと隣の槙野くんの顔を見る。


「!」


あたしに気付き、平然と笑って手を振ってきた。

…な、なんなんだこの人は…。