取りに行こうとベッドを降りれば、即座に目を覚ますだろう。

仕方ない…。今日は諦めるか…。


ハア、と諦めのため息を落としたそのとき。


「…っ!?」


体を支えていた右手が掴まれ、かくんと力が抜けた。


「へ!?」


そのまま倒れこんだのは当然先輩の胸なわけで。

慌てて顔を上げると、いつ起きていたのやら…。

ニヤッと笑いながらこちらを見る先輩がいた。


「……お、おはよございます…」


「はよ」


そう返しながら、あたしごと上半身を起こす。


「きゃん!」


あたっ、あたしふふふ服着てないじゃん!


大慌てで布団を体に巻きつけるあたしを見て、くすくす笑いをこぼす。


「あのまんま気失うみたいに寝たもんなお前」


あ、あのまんまって…。


「だ、だって先輩が!」


「俺が?」


「先輩が…………から…」


「あ?」


「な、なんでもありませんっ」