結局先輩と同じおにぎりを選んだ。

…そこでまたも問題発生!!


一。あたしは学校帰りに直接先輩んとこへ走った!

二。今はあたしお弁当で、購買に行っていない!

イコール。


「さ、財布がない…」


一文無しとはこのことか。


「くっく……」


ま、また笑った…。


必死で笑いをこらえている様子の先輩は、この店に入ったときからあたしがちらちらと見ていたアイスも手にしてレジへ向かった。


「……」


…?


ぽけっとしているうちに、会計を済ませたらしく外へ向かっている。


「ま、待って!」


慌てて追いかけた。


ぎゅっと服の裾を握り、「あ、ありがとうございます」と呟いた。


「ん」


くしゃっと頭を撫でると、服を掴んでいた手を握る。

じっとその手を見つめて、おずおずと握り返した。