でも本当に分からないのだ。
「ただなんか…先輩に会いたくって会いたくって…」
どうしていいか分かんなくて…。
「先輩の声が聞きたくって聞きたくって…」
なんか怖くなって…。
「気付いたらいました」
「気付いたらってお前な」
「ご、ごめんなさい」
ため息をつかれ、しゅんとして肩を落とした。
「…まあ、一番に俺のとこにきたからよしとしよう」
「へ?」
「…おいで」
顔を上げると、手を広げて優しい目をしながらそう言ってくれた。
嬉しさに顔が綻ぶのを抑えきれないまま、胸に飛び込んだ。
「……」
黙って頭を撫でてくれる先輩。
胸に擦り寄ると、ふわんと先輩のにおいが鼻をかすめた。
香水とかじゃない。
でもすごくいいにおい。
落ち着く……❤
ぎゅむっと抱きつきながら、ふと思う。

