着く頃はきっと二十五分くらいだからー…。

あ、なんだ時間内か~♪よかった~♪


「って失礼!!」


たしかに遅刻してるけど!

人に言えた立場じゃないけど!

最初から三十分も遅れる前提って……。

ひどくない?


ハアァ~とため息をこぼし、再びえっほえっほと足を速めた。



ピーンポーン



予定通り(ほんとは大幅に予定外)二十五分に先輩の家に着いた。

息を整えながら、チャイムを押す。


やがてがちゃっと扉が開き、含み笑いの先輩が出てきた。


「意外と早かったんだな」


「す、すみません」


皮肉っぽい顔って、こういうのをいうんだわ。

少しだけむくれながら、促されるままに中へ入った。


相変わらず……殺風景というかなんというか。

生活感のない部屋だ。

ほんとにここに住んでんのかなってくらい。


「って……。なんですか?」