俺様狼と子猫少女の秘密の時間②


なんだかしてやったり、というような優越感を感じ、すぐに顔を離して先輩の顔を見る。

ぽかんとしてる。可愛い!


顔が赤くなる前に、隠すように先輩の肩に顎を乗せた。

もちろん、腕は首に回したまま。


いつまでも驚いてるのかな、と思っていると、どうやらそうでもなさそう。


「にゃ!?」


ぐわん、と視界が揺れ、倒れるかと思った。

慌ててしがみついていた腕に力を入れる。


「せ、先輩?」


安定したので、ふっと肩の力を抜く。


こっ、これは……!!

おひめさまだっこというやつ!!


「せせせ先輩なにやってんすか!?」


「久しぶりに、行く」


「ど……どこに」


ていうかそういうこと聞いてるんじゃないっていうか。

しかもなんか、おかまいなしに歩き出している。

まさかこのまま校舎を歩く気!?


冗談!


じたばた足を動かしても、しれっとして屋上を出る。

「お前が逃げないように」とか言ったけれど、そんなんちゃんとどこに行くとか言ってくれれば、別に逃げないのに。