なんだかしてやったり、というような優越感を感じ、すぐに顔を離して先輩の顔を見る。
ぽかんとしてる。可愛い!
顔が赤くなる前に、隠すように先輩の肩に顎を乗せた。
もちろん、腕は首に回したまま。
いつまでも驚いてるのかな、と思っていると、どうやらそうでもなさそう。
「にゃ!?」
ぐわん、と視界が揺れ、倒れるかと思った。
慌ててしがみついていた腕に力を入れる。
「せ、先輩?」
安定したので、ふっと肩の力を抜く。
こっ、これは……!!
おひめさまだっこというやつ!!
「せせせ先輩なにやってんすか!?」
「久しぶりに、行く」
「ど……どこに」
ていうかそういうこと聞いてるんじゃないっていうか。
しかもなんか、おかまいなしに歩き出している。
まさかこのまま校舎を歩く気!?
冗談!
じたばた足を動かしても、しれっとして屋上を出る。
「お前が逃げないように」とか言ったけれど、そんなんちゃんとどこに行くとか言ってくれれば、別に逃げないのに。

