――龍樹サイド――

今日は悠由を迎えに行かなかったから。

思いっきり遅刻していった。

行ったはいいけれど、どうも教室に入る気になれない。

どうせまた、女共が「篠原くぅん久しぶり~❤」とか気色悪い声で擦り寄ってくるだけに違いないんだ。

くっつかれて嬉しいのは悠由だけ。


今日は昼……待っていようか。


もう一週間以上もあいつに会っていない。

はっきりいって限界。


触れたい。

キスしたい。

抱きたい。


純粋にただ会いたいという気持ちから、徐々に邪まなほうへとそれていってしまう。


もうほとんど俺の意地というか…避けてんのはこっちだからな。

餓鬼っぽいことはもうやめよう。


何度、そう思っただろう。


「ハァ……」


めんどくせーの。


深くため息をこぼすと、屋上の定位置に腰を沈め、ゆっくりと瞼を閉じた。



キイィ……



「あっ…! 先輩…!」