そして、会えない時間は、確実にあたし達を揺るがしていた。



「明日はもう学校か…」


休みの最後の日に、カレンダーを見ながらポツリと呟く。

今日の夜には、ママも帰ってくるはずだ。

きっと上機嫌と寂しさ半分半分の複雑な顔してるんだろうな。


想像してくすりと笑いをこぼしたのと同時に、「たっだいまーっ」と思いのほか明るい声が玄関へ飛び込んできた。


「あっ。ままだー!」


いくら那智兄が大好きで、あたし達がいれば落ち着いていられるとはいえ。

由那はまだまだ母を強く求める子供だ。

ここ数日一番の笑顔を見せ、タタタッと勢いよく駆けていった。


「お帰り」


後に続いてあたしも顔を出し、にこっと笑いかける。


「ただいま。元気してた? ありがとね」


「ママこそ。どうだったの?」


いきなりどうかとは思ったけど、ものすごく聞いてほしそうな顔をしていたから聞いてみた。

案の定、


「聞いてくれる!? あのねーっ…」


荷物をドサドサッと置き、由那を抱き上げながら、目を輝かせる。


お父さんとは久しぶりにラブラブできてよかったみたい。

頬を紅潮させて、本当に恋する乙女だった。