――四月吉日――



「せっ……だ、だめですったら!」


「いーじゃん、ちょっとくらい」


「だめなんです!」


「……チッ」


はい。

今舌打ちをされましたあたし、澤村悠由。

この間二年になりました。


目の前にいるあたしの彼氏、篠原龍樹先輩も、無事に進級できたよう。

ものすっごいサボり魔なのに…。

授業半分も出てるんだか出てないんだか…。


ハァ、と小さくため息を吐いた。


「先輩~ほら時計見てくださいよ。もうあと五分ちょっとしかないですよ?」


「別に俺次出ねーし」


「……」


あたしは出るんですがね。

お昼、まだ食べてないんですがね。

先輩がいきなり襲ってくるからね。


とにかく大急ぎで自作のお弁当をかきこんだ。


一度作って以来、先輩はどうも気に入ってくれたようだったから、ほぼ毎日作るようになっている。